山形県生活協同組合連合会 お問い合わせ ホーム
県生協連の紹介 県生協連の活動 全員生協の概況と紹介 新着ニュース お知らせ リンク集 加入について
新着ニュース
 

「TPP問題学習会」を酒田こぴあで開催

 

 山形県生協連主催で「TPP問題学習会」を1月19日(土)、こぴあコープ酒田2階大会議室で開催し、81人が参加しました。

 TPP(環太平洋経済連携協定)が地域社会や組合員のくらしを破壊する危険性から、山形県生協連では「TPP参加阻止山形県連絡会議」に参画し県全体での運動をすすめ、生協共立社では「TPP参加反対対策会議」を立ち上げ、組合員の学習や地域でのアピールをすすめ、参加反対運動に取り組んでいます。今回は、「これでわかるTPP問題一問一答」などの著作で知られる小倉正行氏(日本科学者会議)を講師に招き、TPPの何が問題なのか、現在の情勢はどうなっているのか学びました。

 はじめに生協共立社の阿部進理事が、8月に実施した「韓米FTA現地調査」について報告しました。このFTAは一部の例外はありますが、かなりTPPの内容に似ているため、TPPに参加した場合の影響をはかるモデルといえます。阿部進理事は、あらためてTPPの基本内容をおさえながら、「韓米FTA」による韓国農業、医療、交渉経緯の実態について報告しました。そして「TPPの問題は、全体への影響だけでなく、自分のくらしや仕事に結び付けて捉えてほしい」として、身近な問題として当事者意識を持つことの重要性を訴えました。

 次に小倉正行氏が「TPPは国を滅ぼす〜食の安全・医療が危ない〜」と題し講演を行いました。まず、TPPの柱である「例外なき関税撤廃」と「非関税障壁の撤廃」という2つの原則は、具体的に何をもたらすか解説しました。まず関税撤廃によって日本の自給率が低下する流れが詳しく話されました。たとえば「コメ」は、「高くても国産米を選ぶ」と消費者が選択したとしても、すでに消費量の53%を占める業務用や加工用は安い輸入米に切り替えられてしまい、結果、一部のブランド米以外のコメ生産が継続できなくなります。また「牛肉」の場合、日本では安い価格帯の牛肉が実は酪農生産からのオス牛が中心のため、ここが輸入牛肉と競合します。そのためオス牛の販売が困難になった酪農家の経営が立ち行かなくなり離農がすすみます。安い輸入牛肉の流入は、肉牛生産だけでなく、牛乳生産にも打撃を受けることが説明されました。

 そして「非関税障壁の撤廃」の影響について、特に「食の安全」が脅かされてしまう点が説明されました。関税以外で貿易を阻害することを「非関税障壁」といいますが、日本の厳格な安全基準が外国(特にアメリカ)の輸出を阻害している「非関税障壁」とされてしまいます。食品添加物の使用品目数、残留農薬の基準、遺伝子組み換えや原産地の表示義務など、食の安全にとって当たり前の制度や基準がなし崩しに撤廃される危険性があります。特に残留農薬の問題では、長期保管を目的にしたポストハーベスト(収穫後の農薬)を日本に認めさせて輸出しやすくさせることが最大の眼目とみられています。

 また、TPPの大きな問題として、「医療」への影響があります。アメリカの民間保険会社の参入を拡大するため、株式会社による病院経営解禁、保険外の自由診療の拡大(混合診療の拡大)をすすめ、日本の「国民皆保険制度」の弱体化が狙われています。結果、儲からない地方病院や診療科目の撤退、低所得の人はまともに医療を受けられない事態が迫ってきます。

 小倉正行氏はTPPの交渉状況にも言及し、TPPの本質は当初の「P4協定」と変わらず、“例外なし”の関税と非関税障壁の撤廃であり、政府与党があたかも「例外も交渉次第で認められる」かのように説明しているのは不見識きわまりない、と指摘しました。そして現在アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアの3ヶ国が日本の参加を承認しておらず、特にアメリカは「自動車」「保険」「牛肉」の3点の規制撤廃を日本のTPP参加の踏み絵にしているようです。このなかの「牛肉」の問題とは、米国産牛肉の月齢制限と危険部位の見直しです。月齢は20ヶ月から30ヶ月まで緩和し、それ以内であれば頭部や脊髄などの危険部位も流通OKにしよう、という圧力です。しかし、2012年4月にまたも米国でBSE感染牛が発見され、しかも感染経路が不明な「非定型タイプ」でした。決してBSE牛の発生が終わっていないことであり、流通規制は継続すべきことを示しています。小倉正行氏はこのBSE問題を時間をかけて説明し、「TPPはとかく生産者の問題として扱われるが、実は消費者にとっても大きな問題であることを認識してほしい」と語り、講演を終えました。

 講演後の質疑応答で鶴岡生協の佐藤安太郎さんから「どうしてもTPPは生産者団体の話が多い。組合員・消費者にわかりやすく伝えるにはどうしたら良いか」との質問が出され、小倉正行氏は「たとえば、『食の安全』が脅かされる問題は、つまり消費者の権利を奪うことでもあるので、そうした点を伝えていくことが大事」との返答をされました。最後に酒田健康生協の青木繁子さんが閉会の挨拶で「今日の話をぜひ、まわりの人達に伝えて、TPPの危険性を伝えよう」と話し、学習会を終えました。

〜アンケートより一部抜粋〜

  • 「TPPが国を滅ぼす!」とは、なるほどこういう事かとわかったし、聞けば聞くほど恐ろしくなるような気持ちになりました。
  • 消費者の目線の立場で具体的な内容で本当にわかり易いお話でした。「知らない」「知らされていない」事の恐ろしさを痛感しました。
  • TPP交渉は、P4協定への参加であり基本原別は交渉の中で変えられないものというお話は、この協定の本質を具体的に解して良かった。
  • 食品の安全、添加物に関してびっくりしました。
  • 自分の仕事やくらしに結びつけて理解しようという点はなるほどと思いました。
 
 
山形県生活協同組合連合会|〒990-2212山形市大字上柳67番1号
ホーム お問い合わせ