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協同組合の価値と役割を考えるシンポジウムを開催

〜協同組合間の連携でより良い社会に〜

 

 山形県協同組合連絡会議は9月29日、山形市ビックウイングで約400人が参加し、協同組合の価値と役割を考える初のシンポジウムを開催しました。環太平洋連携協定(TPP)や規制改革など市場原理主義の嵐が吹き荒れる中、「協同」の今日意義を再認識し、「協同組合間協同」の重要性などを確認しました。

 山形県協同組合連絡会議は、2012年の国連の国際協同組合年(IYC)を機にJAグループ山形と県生活協同組合連合会、県森林組合連合会、県漁業協同組合、県中小企業団体中央会、県信用金庫協会、県信用組合協会、東北労働金庫県本部、全労済県本部が2013年4月に設立。シンポジウムは「ポストIYC」として協同組合についての理解促進に弾みをつけようと開催しました。

 最初に主催者を代表して、JA山形中央会の黒井徳夫副会長が「協同組合は、相互扶助の地域社会を支える重要な役割を担っている。協同の力を今こそ結集し、県民の共感と支持を広げ、地域社会の活性化に力をそそごう」とあいさつ。来賓として、武田県農林水産部次長が吉村県知事の祝辞を代読しました。その後、福井県立大学の北川太一教授が「地域社会における協同組合の価値と役割」と題して基調講演を行ました。

 北川教授は、最初に2012年国際協同組合年にふれ、その背景について次のように説明しました。世界には9億人以上の飢餓・栄養不足人口が存在している。飢餓と食糧安全保障は地球的規模の問題であり、世界人口の増加等に鑑み、緊急に一致した行動をとることが必要であるとし、その問題の原因は効率性を重視する市場原理主義にあると指摘し、社会的に生み出された食料を公平に配分されているかという、公平性基準が配慮されていない。国連は、食糧を扱う協同組合に、貧困・食糧問題に取り組むよう光を当てたと説明しました。

 そして、市場原理主義は、政府の役割を最小限にして規制緩和を行い、企業が自らの利益を追求するために他者と競争しながら自由な経済活動を行えば、個々の経済主体をはじめ社会全体に最大の利益がもたらされるという考え方。その考えは、公害問題、労働・雇用条件の悪化、企業倫理の欠如、格差問題を発生させ、行き過ぎた市場原理主義の限界を露呈し、失敗したと批判しました。

 そして、行き過ぎた市場原理主義に抗する「もう一つの風」として、国連は2012年国際協同組合年に続いて、2013年国際水協力年、2014年国際家族農業年を提起している。国連のグラジアノ・ダ・シルバFAO事務局長は、2014年を国際家族農業年と制定することにより、食料安全保障の改善そして天然資源を保全するといった、世界が今日直面している二重の緊急性に対応する上で、家族農家が中心的な存在であるとアピールしている。

 更に、北川教授は、協同組合の理念についてふれ、ロッチデール公正開拓者組合は、18世紀後半のイギリスの社会的経済的背景の下、14項目の運営の原則を確立した。この原則は、多くは組合員の共通の利益を実現し組合員の暮らしを守るという「共益」だが、原則のうちいくつかは、組合員が暮らす地域社会を事業や活動を通じてより良くするという「公益」を目指したものである。ここに協同組合の、一般企業にはない特性がある。協同組合は一部の利害者集団ではないかという、批判に対して反論する根拠がここにある。協同組合が一人勝ちしても地域社会は良くならない。地域社会を良くすることが協同組合を発展させると強調しました。

 1980年ICA(国際協同組合同盟)モスクワ大会のレイドローの問題提起『西暦2000年における協同組合』にふれ、協同組合は「思想的な危機」に直面している「協同組合の真の目的は何なのか、他の企業とは違う独自の役割を果たしているのか」を問い続けることが必要であるとし、四つの優先分野の一つとして「協同組合地域社会の建設」が提起されていることを説明しました。そして、1995年に新しい協同組合原則が確立し、その第7原則に「コミュニティヘの関与」として、「協同組合は、組合員によって承認された政策を通じてコミュニティの持続可能な発展のために活動する」と新たに明記され、協同組合と地域社会の関係構築が改めて提起されたと解説しました。

 最後に、「より良い社会」を築くために、いま求められている協同組合の役割にふれ、「協同組合事業」はうわべだけ見れば、他の企業と同じだが、事業は目的ではなく手段であること、出資者である組合員の参加、組合員と職員のパートナーシップにより、社会を変える力を持っていると指摘しました。

 ヘイゼル・ヘンダーソンの社会を構成する四つの層についてふれ、「貨幣的経済」としての私的・民間部門(生産、雇用、消費、投資、貯蓄)と公的部門(国家、行政、財政、インフラ整備)に対して、「非貨幣的経済」として人と人との互恵的関係(家族、無償労働、自給、物々交換・おすそ分け、助け合い、ボランティア)と自然・資源(農地・森林・海などが有する多面的な機能)がある。協同組合は「非貨幣的経済」をこそ大切にして、共生経済、共生社会をつくっていく上で大きな役割を担っていると強調しました。

 そして、協同組合間協同への期待として5つの課題を提起しました。1協同組合が地域の資源(伝統・文化を含む)を守り、地域社会におけるつながりを作ろうとしている姿の「見える化」、2次世代のために農林業と食を育み、地域を守っていくという共通の理念づくり、3学習活動や組合員間の交流を軸とした協同活動、3物流システムの相互補完や商品開発といった事業連携、3協同組合は、いろいろな人たちをいろいろな方法で縦横に紡ぐ「糸」に。と述べ、協同組合間協同による活動の「見える化」や、協同組合以外の人たちにも手を差し伸べる、より幅広い活動の展開を求めました。

 この後、「協同組合運動の取組みと今後の課題」をテーマに山形県生活協同組合連合会と全労済県本部の代表による事例発表があり、連携強化などを確認しました。

 最後に、明るい山形県づくりへの貢献を誓う大会宣言を採択して閉会しました。

 
 
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