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日本生協連主催で「灯油問題学習懇談会」を開催

 

 10月28日に、東京・主婦会館プラザエフにおいて、日本生協連主催の「灯油問題学習懇談会」が開催されました。

 現在、灯油価格が昨シーズンにも増して高値で推移しており、灯油をはじめとする燃料価格の高騰は、全国的な問題であることから、消費者・行政関係者・石油業界・専門家の意見交換を通して、灯油価格の現状、家計や経済活動への影響などについて関係者間で認識の共有化を図ることを目的に開催されました。

 日本生協連山内明子組織推進本部長の開会挨拶の後、木戸玲子組合員活動部長の司会の下、学習懇談会が進められました。

 最初に、永濱利廣第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミストが現在の原油価格の高騰が、消費税増税後の日本経済に及ぼす影響、家計の負担増が個人消費に及ぼす影響などについて解説しました。現在、日本の石油会社が産油国から輸入する原油価格が上昇している。仮にイラクなどの地政学的リスクの高まりによる供給懸念が原油価格を押し上げれば、日本経済に悪影響が及ぶ可能性がある。今後も中東情勢の緊迫が持続すれば、ドバイ産の原油価格は更なる供給懸念の状態が続いて行くだろう。一方、今後は米国経済がQE3の出口終了に伴い利上げ観測が高まることが予想され、原油の取引通貨であるドルはさらに上昇する可能性がある。従って、今後もしばらく原油の輸入価格は高水準で推移し、中期的に見ても原油の輸入価格が高止まる可能性がある。と物価や家計に与えるダメージが大きく、景気の好循環の芽が摘まれてしまうとの懸念を示しました。

 続いて、林朋子コープさっぽろ理事が灯油価格の高騰が家計に及ぼす影響について報告しました。10年前の灯油価格は50円/リットル以下。今日の100円/リットルを越える灯油価格は公共料金に準じる「物価」としては異常。消費者のセーフティネット構築の一環として「福祉灯油」の実現と内容充実を行政へ働きかけたい。北海道内の179市町村に2014年度の福祉灯油の取り組みについて聞き取り調査、実施96市町村、未定93市町村、未実施5市町村との結果。市町村ごとにバラつきがあり、要請行動を計画している。

 藤原真帆いわて生協常務理事は、冬の岩手では灯油は生活必需品である。最低気温はマイナス10度以下、暖房を入れなければ家の中は冷蔵庫と同じ。5年前と比較すると一冬3万円の負担増。消費税が上がったことにより家計への負担が更に大きくなる。として、灯油の高値で困っている地域の組合員の生の声を紹介しました。

 河野敏彦コープ東北サンネット事業連合常務理事は、宮城県生協連の家計調査の集計では、「水光熱費」の伸びが10%近い。東北電力の値上げの影響もあり家計の負担が増えている。原油高騰の要因になっている「投機マネー」に対する規制や行政の指導強化や震災の被災者・経済的弱者に対する公的な援助の必要性を訴えました。

 その後、中田徹石油連盟総務部広報室長より「原油価格動向と灯油価格決定」と題して説明がありました。石油危機以降80年代半ばまではOPECが原油価格を支配していたが、80年代後半に市場連動方式に移行し2003年以降はイラク戦争勃発やハリケーン「カトリーナ」の影響、サブプライムローンの問題から投機筋の資金が流入し、原油価格が急騰、乱高下するようになった。原油価格の変動要因は1石油需給の動向、2地政学上の問題、3投資・投機資金の動きが複雑に絡み合っている。灯油価格については原油調達コストとほぼ連動している。石油の安定供給のためには、業界として適正な収益水準の確保が課題と説明しました。

 加田平直也資源エネルギー庁資源・燃料部政策課課長補佐より「原油価格形成メカニズムの変容と金融要因」と題して説明がありました。原油価格は、需給要因だけでなく金融要因、リスク要因にも影響される。2008年のリーマンショックに端を発した世界金融危機では投機資金が原油市場に流入し乱高下を惹き起こした。2009年9月より商品先物市場の透明性向上や投機資金の規制強化に向けた取り組みを進めている。その後、「アラブの春」以降、2011年より高値ながら比較的安定してきている。最近は、イスラム武装勢力のイラク南部の油田地帯からの後退、リビア原油輸出再開の動き、原油生産量の堅調化をうけて、原油価格は一段と下落基調である。

 笛木知之資源エネルギー庁資源・燃料部石油流通課課長補佐より「国内の石油製品・原油価格の推移」と題して報告がありました。資源エネルギー庁として、1石油製品の安定供給を確保するためSSに対しての支援、2災害時に対応する石油製品貯槽等を社会的重要インフラへの設置、3石油製品の平時及び災害時における流通網の整備、4製油製品の価格のモニタリング、5石油製品の品質確保のための検査、6離島における石油製品の価格と流通の安定化に取り組んでいるとの報告です。

 阿部龍一郎消費者庁消費者調査課課長補佐より「平成26年度第4回物価モニター調査結果」と題して報告がありました。消費税率引上げ時における生活関連物資等の便乗値上げを防止するとともに、原油価格及び穀物価格の上昇が生活関連物資等の価格に及ぼす影響、消費生活に関する意識動向等を把握したものです。意識調査の問6で「今後3か月で上昇すると思うモノ・サービスはどれですか。一つ選んでください」と聞いたところ、1位ガソリン(23.1%)、2位灯油(14.9%)と石油製品が上位を占めました。

 その後、休憩を挟み、参加者との意見交換を行いました。「石油元売会社の新しい仕切り価格の体系が不透明だ」「原油価格の動きと灯油の仕切り価格が連動していないのではないか」「農業・漁業・林業における原油高騰に対するセーフティネットは農林水産省で対応しているが、消費者・国民にはセーフティネットがない」「投機資金に対する規制だが、CFTCでは市場参加者の氏名を公表しているのか」「いろいろ原油市場や取引の仕組みはわかったが、10年間で灯油価格が2倍になるということに納得できない」などの意見が出されました。

 東北に住む私たちにとって「灯油」は欠くことができない生活必需品です。その灯油が、今冬は1缶18リットルで2000円に近づいており、本格的な需要期を前に消費者の不安は高まっています。

 4月からの消費税増税による負担増もあり、家計は苦しくなっています。このままでは東北の被災地はもちろんのこと、くらしや経営、地域経済に大きな影響があり、景気も回復しません。燃料は食料に次ぐライフラインであるにもかかわらず、行過ぎた規制緩和により、こうした問題を広げています。石油製品の適正価格と安定供給に政府が役割と責任を持つような新しい石油行政を作ることを強く要望して行く必要性を感じました。

 
 
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