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東北及び九州・沖縄の生協は、2014年度から東ティモールへのユニセフ指定募金に取り組んでいます。2014年10月26日から11月2日にかけて、東北の生協の代表及び全国の県ユニセフ協会などから12人が参加して、東ティモールへのスタディツアーが実施されました。

この募金は、2015年度から「東ティモールにおける新生児と母親のためのコミュニティケアの改善」プロジェクトのために使われます。今回は、支援先である母親支援グループやコミュニティ保健センターなどを訪問しました。山形県生協連からは、ユニセフ委員の秋田恵さん(鶴岡生協地域理事)が参加しました。その概要を報告します。

ユニセフ・東ティモールスタディツアーに参加して

山形県生協連 ユニセフ委員  秋田 恵

東ティモールは2002年に独立したアジアで一番若い国

 南半球オーストラリアの北側に位置し、インドネシアと接する国土は東京・千葉・埼玉・神奈川を合わせた面積とほぼ同じ位の広さ。人口約120万人で、その半分が子供で占められる。通貨は米ドル。言葉はテトゥン語、ポルトガル語、インドネシア語、英語プラス地域ごとに異なる部族語が使用されている。季節は2つに分かれ、5月から10月くらいまで乾季、11月から半年ほど雨季となる。

 東ティモールはポルトガル・インドネシア・オランダ・日本に占領されては独立を繰り返していた歴史があり、戦後のポルトガルやインドネシアの統治下で長く翻弄されていた。ようやく2002年5月に独立したアジアで一番若い国である。しかし国勢は安定せず、西と東の兵士への差別待遇に対するデモが発端で、政府に不満を持つ若者による暴動が起こり、治安が悪化。15万人もの国内避難民が発生していたのもつい数年前のこと。そして2008年大統領と首相の襲撃事件後、危ぶまれた治安の悪化だったが次第に落ち着いて来て、現在に至る。

ティモールの第一印象は、南国のヤシの木があり、のんびりムード

 初めて降りたティモールの地の印象は、南国のヤシの木があり、のんびりムードだ。アジア都心部の排気ガスだらけ、濁った空気、喧噪とは異なる。ほとんど紛争のなごりはなく、穏やかな街並みだった。人々も明るく、貧相な国というイメージはない。

 海岸は遠浅の海で、ディリ市内から少し離れた海岸はそれこそエメラルドグリーン。日中こそ日差しが強くて誰も遊んでいないが、夕方になるとたくさんの子供たちが水浴び替わりか、海に入って遊んでいる。女の子は服を着て泳いでいるが、ほとんどの男の子は裸だ。言葉は通じなくとも、懐っこくキャッキャと水遊びしながら近づいてくる。子供たちの笑顔・無邪気さは全世界共通だ。

指定募金の支援先について説明を聞き、現地を視察

 さて、今回の視察内容は、初日、ユニセフ東ティモール事務所レネ副所長(オランダ人)&現地スタッフとのミーテイングにて現況、取り組みと成果、今後の取り組みについての話を聞くことから始まった。そして保健省の母子保健チーム部長を表敬・母親支援グループの活動見学・保健センター2カ所・国立マウベシ病院・小学校2件視察・子供達、教師達と交流・サラマタ村の水利用者管理グループのメンバーと交流・最後に再びレネ副所長とミーテイングをして感想、意見、思いを告げて終えた。

私たちの支援は、より良い保健・栄養ケアを求める習慣を根付かせること

 これから私たち東北と九州・沖縄の生協は、新しいプロジェクトへの指定募金を始める。それは、「東ティモールにおける新生児と母親のためのコミュニティ保健ケアの改善」すなわち、より良い保健・栄養ケアを求める習慣を根付かせる支援である。具体的には、母親支援グループ(地域ボランティアの団体)への研修・活動推進、保健省への新生児・保健サービスの拡張支援をサポートすることだ。そこで、これから関わることになるであろう訪問したアイナロ県ハトブリコ保健センター(診療所)について、そこはディリから凸凹の国道を3時間半ほどかけて入って行った山間の集落だった。

【支援先】アイナロ県ハトブリコのコミュニティ保健センターの訪問

 午後に訪問した保健センターには、患者さんは誰もいなかった。1〜2時間かけて歩いてくるので、午前中に診察に来たら、午後は帰宅へ向かうとのこと。建てつくりはコンクリートの平屋。分娩室兼一般診察室県事務所の一室、妊産婦用診察室、処方兼薬の保管、一室で分娩、一般診察、事務所兼用、室と外の待合室がある。

 現在の問題点として1照明器具はあるが電気が不十分でろうそくを使用している。2分娩専用の部屋がない。3乾季には水がなく、スタッフ全員で午前・午後に1回ずつ、1km先まで行き、水汲みをする。4今後のフロンガスの入手する術がない。医者や看護師、助産師は8時間交代の24時間体制だが、待機、休憩できる専用の部屋はない。ユニセフ支援による身長、体重計、血圧計、母子手帳などがあり使われている。保健センターでの出産を推進しているが、歩いて1〜2時間の所に住む人たちの多くが自宅出産をしているのが現状だ。自宅は暗く、衛生的にもよくない事はわかっていても、交通手段のない人たちにはやむを得ない事と知る。

【支援先】アイナロ県ハトブリコの母親支援グループの訪問

 次に活動中の母子支援グループについて。週2回の活動で、2年前に始めた時に20人いたボランティアが、現在6名に。一人二人と抜けて行ったようだ。先進国でさえボランティア意識を育てるのは難しい。そんな中でも、離乳食作り実習で、自宅の調理場を提供している人もいた。活動に参加できない母への個別訪問にも行き、相談にのり相手から感謝されたり子供が元気に育っているのを見て、ボランティアの喜びを知り、仲間とのやりがいを感じている人もいた。

 離乳食メニューの紹介では、米、イモ類(キャッサバ、さつまいもetc)、豆類(大豆以外)、鶏肉または卵、緑黄色野菜(ニンジンのない時にかぼちゃ)、かぼちゃの葉、を加え、柔らかくおかゆにして薄い塩味で仕上げていた。その時々にある食材を利用し、バランス良い栄養を摂れるよう工夫しデモンストレーションをして子供達に食べさせていた。捕食としてバナナも準備している。

 一人の女性は、過去5人の子供を産んだが皆死亡。6人目となる女の子が2歳になり、現在、元気に育っていることをとても喜んでいた。それは2年前から、母親支援活動が始められ、保健衛生、母乳の推進、離乳食に関する勉強会が行われ、口コミ、仲間同士の情報交換があった効果だろう。

これからの支援が母子支援・保健衛生を定着させることにつながる

 今回の視察で知ったことは、ユニセフの栄養剤支援により、5歳までの乳幼児の致死率が5.7%になり、保健衛生・栄養のケアの効果が数字に表れていることだ。同様に、まだ時間がかかるだろうが、母親支援活動の推進が進められつつある事など、実際の現場を見て生の声を聞き、知った現地での支援の必要性。地道な活動だが、諦めずに関わっていく支援と人々に寄り添い母乳育児の推進、栄養の摂り方を知らせていく環境つくりは大事なことだ。これからの支援が母子支援・保健衛生を定着させることに繋がっていくと思った。

ユニセフでは、幼児教育の充実で、教育への関心を高める取り組みも

 その他、ティモールは長い間、多国に統治されていた事、地域ごとに持つ部族語が多い事による、母国語が定着されていない問題がある。その為、世代で使われる言葉が異なり、意思疎通ができにくく、教育普及に影響している。今、学校教育に於ける言語教育が細かく課題化されている。また、留年する子供が多く教育への関心の低さが問題となっている。家の手伝い、学習環境が悪く学習意欲に乏しくなることが原因かと。

 小学校への就学率は90%。1年生の留年率がもっとも高く、中学3年生を卒業するまでに平均11年かかっている。要因は就学前教育での準備期間がないことをあげている。現在、幼稚園(3〜5歳)に就園する子供6.8%という。そのためユニセフとしては今後、就学時前教育に力を入れ、幼稚園の増設(現在、ディリ市内にのみ3軒ある。)を考えていると聞いた。すでにニュージーランドのNGOが幼児教育支援に入って来ているということだった。今後、そう言ったNGOと連携を密にして教育の充実を計って行って欲しいと思った。

日本の海外青年協力隊員たちも、様々な支援要請に応え活動中

 これから、自立に向かって経済も産業も教育も発展して行くだろう小さな国・東ティモール。今は、輸入に頼っているこの国に於いて、NGOが自立へ導く農業開発に関わっていた。私の後輩である日本の海外青年協力隊員たちも、栄養士・体育教師・テレビプロデュース・村落開発等、様々な職種要請により、自身の経験をティモールの地で試していた。

 山形の私たちも支援の在り方を知った上で、アジアの一番若い国を覚え、小さい力を合わせ共に応援しませんか。そして何よりも私たちは、東ティモールを長く翻弄させた国の一つでもあることを覚えていたい。占領し、東ティモールの独立以前はインドネシア軍に武器の供給をしていたと言う表になっていない事実があるのだから。

 
 
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