山形県生活協同組合連合会 お問い合わせ ホーム
県生協連の紹介 県生協連の活動 全員生協の概況と紹介 新着ニュース お知らせ リンク集 加入について
新着ニュース
 

2016生協学校を開催

北川教授が社会的使命について講演

 

 10月24日、山形国際ホテルを会場に2016生協学校を開催しました。「協同組合の歴史と理念、社会的な使命」と題して、福井県立大学教授の北川太一先生が講演しました。県内の会員生協から44名の組合員・役職員が参加しました。菅井道也会長が生協学校の開催にあたり、挨拶を述べました。

<山形国際ホテルにて、2016生協学校を開催>

 北川教授は、最初に2012年国際協同組合年にふれ、その背景について次のように説明しました。世界には9億人以上の飢餓・栄養不足人口が存在している。飢餓と食糧安全保障は地球的規模の問題であり、世界人口の増加等に鑑み、緊急に一致した行動をとることが必要であるとし、その問題の原因は効率性を重視する市場原理主義にあると指摘し、社会的に生み出された食料を公平に配分されているかという、公平性基準が配慮されていない。国連は、食糧を扱う協同組合に、貧困・食糧問題に取り組むよう光を当てたと説明しました。

 そして、市場原理主義は、政府の役割を最小限にして規制緩和を行い、企業が自らの利益を追求するために他者と競争しながら自由な経済活動を行えば、個々の経済主体をはじめ社会全体に最大の利益がもたらされるという考え方。その考えは、公害問題、労働・雇用条件の悪化、企業倫理の欠如、格差問題を発生させ、行き過ぎた市場原理主義の限界を露呈し、失敗したと批判しました。

 更に、北川教授は、協同組合の理念についてふれ、ロッチデール公正開拓者組合は、18世紀後半のイギリスの社会的経済的背景の下、14項目の運営の原則を確立した。この原則は、多くは組合員の共通の利益を実現し組合員の暮らしを守るという「共益」だが、原則のうちいくつかは、組合員が暮らす地域社会を事業や活動を通じてより良くするという「公益」を目指したものである。ここに協同組合の、一般企業にはない特性がある。協同組合は一部の利害者集団ではないかという、批判に対して反論する根拠がここにある。協同組合が一人勝ちしても地域社会は良くならない。地域社会を良くすることが協同組合を発展させると強調しました。

<講演する北川太一教授>

 1980年ICA(国際協同組合同盟)モスクワ大会のレイドローの問題提起『西暦2000年における協同組合』にふれ、協同組合は「思想的な危機」に直面している「協同組合の真の目的は何なのか、他の企業とは違う独自の役割を果たしているのか」を問い続けることが必要であるとし、四つの優先分野の一つとして「協同組合地域社会の建設」が提起されていることを説明しました。そして、1995年に新しい協同組合原則が確立し、その第7原則に「コミュニティヘの関与」として、「協同組合は、組合員によって承認された政策を通じてコミュニティの持続可能な発展のために活動する」と新たに明記され、協同組合と地域社会の関係構築が改めて提起されたと解説しました。

 最後に、「より良い社会」を築くために、いま求められている協同組合の役割にふれ、「協同組合事業」はうわべだけ見れば、他の企業と同じだが、事業は目的ではなく手段であること、出資者である組合員の参加、組合員と職員のパートナーシップにより、社会を変える力を持っていると指摘しました。

 ヘイゼル・ヘンダーソンの社会を構成する四つの層についてふれ、「貨幣的経済」としての私的・民間部門(生産、雇用、消費、投資、貯蓄)と公的部門(国家、行政、財政、インフラ整備)に対して、「非貨幣的経済」として人と人との互恵的関係(家族、無償労働、自給、物々交換・おすそ分け、助け合い、ボランティア)と自然・資源(農地・森林・海などが有する多面的な機能)がある。協同組合は「非貨幣的経済」をこそ大切にして、共生経済、共生社会をつくっていく上で大きな役割を担っていると強調しました。

 そして、協同組合間協同への期待として5つの課題を提起しました。1協同組合が地域の資源(伝統・文化を含む)を守り、地域社会におけるつながりを作ろうとしている姿の「見える化」、2次世代のために農林業と食を育み、地域を守っていくという共通の理念づくり、3学習活動や組合員間の交流を軸とした協同活動、4物流システムの相互補完や商品開発といった事業連携、5協同組合は、いろいろな人たちをいろいろな方法で縦横に紡ぐ「糸」に。と述べ、協同組合間協同による活動の「見える化」や、協同組合以外の人たちにも手を差し伸べる、より幅広い活動の展開を求めました。

 参加者との質疑応答では、「現在の協同組合の状態をどのような危機ととらえているか」、「社会を構成する4つの層のお話がありました。TPPが進めばそのバランスが崩れるのははっきりしていると思うのですが、どうでしょうか?」といった質問が出されました。

 最後に、安部芳晴常務が閉会の挨拶を述べ、参加者から感想文を出していただき、閉会しました。

 
 
山形県生活協同組合連合会|〒990-2212山形市大字上柳67番1号
ホーム お問い合わせ